UNICO DESIGN一級建築士事務所が手掛けたこちらの住まいが立地する群馬県山間部の六合村は豊かな自然と野の花が美しい風光明媚な山村。クライアントは花や植物のクラフトワークをする女性で、趣味が高じてこの村に長期滞在をするようになり、その後集落の方から家を借りて過ごしたのちにこの住宅を建てられたそう。そんな経緯もあって、ここの豊かな自然あふれる風景を取り込み、またその風景に溶け込む住まいをコンセプトに計画されました。
杉板を縦貼りにした外壁は時が経つごとに独特の味わいを深める素材の変化を楽しめます。素朴な風合いが周囲の景観とも馴染んでいます。道路に面した側の開口は必要最低限に抑えることでプライバシー確保が図られています。
アトリエ・リビング・ダイニング・キッチンは吹き抜けで開放感のあるオープンスペースとなっています。その隣は周辺の自然を満喫できる広々としたテラスが設けられ、大きな開口からはたっぷり光が差し込みます。アトリエでは、クライアントの制作活動のほか、地元の方を対象とした押し花教室の会場ともなっており、人が集まり、交流するパブリック要素の強い場所として位置づけられています。
その横にあるのが小上がりの畳スペース。こちらはいくぶんプライベート要素の強いくつろぎの場所として位置づけられています。天井が低くなっている場所にあり、明るいながらも落ち着いた雰囲気のスペースです。
こちらはオープンスペースを別の角度から望んだ様子です。制作活動時や押し花教室の際には、壁一面に配置された大きな収納を開け放せば自由に材料を取り出すことができ、作業時以外はすべて閉じてすっきりと見せることができます。
こちらはキッチン、畳スペース部分を上から眺めた様子。キッチンはコンパクトにすっきりとまとめられています。畳スペースの造作棚はキッチンカウンターおよび目隠しも兼ねています。
階段はナチュラルでシンプルなデザイン。また、階段下は収納として有効活用されています。黒い棚が空間のアクセントとなっていますね。また上部には吹き抜けに面して光の射し込むロフトが配置されています。
周辺の豊かな自然を思う存分満喫することができる広々としたデッキテラス。このテラスはアトリエ、寝室、浴室に面しており、各室に十分な光と眺望をもたらします。
こちらはクライアントが年の三分の二ほどを一人で過ごす住まいということもあり、2階部分は普段はあまり使用されないとのこと。ただ2階にはには個室2つと予備室、さらに洗面室とトイレも配置され、来客時等に使い勝手が良いように設計されています。また、開口も多く設けられて全体的に明るい空間となっています