美しい町家の設え5選

K.Matsunaga K.Matsunaga
花しょうぶ通りの家(江戸後期の町家のリノベーション), タクタク/クニヤス建築設計 タクタク/クニヤス建築設計 和風デザインの 多目的室
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町家は日本の伝統的な家のひとつです。町家ならではの特徴的な趣は、思わず引き込まれる美しさがあります。印象的な美しい町家のしつらえを5軒見てみましょう。

白壁と格子が美しい外観

約130年前、明治初期に建てられた町家のリノベーションを株式会社 長野総合建築事務所が手がけました。この地域には蔵や庄屋が立ち並ぶ伝統的な街並みが残ります。真っ白な漆喰の壁、凛とした格子の佇まいは伝統技術の結晶とも言えるでしょう。新築とも検討されたこの物件ですが、この代々受け継がれた思いと、趣のある姿は年月が重ねられた歴史があるからこそ。耐震的な補強や補修を行い、町家の記憶を残すことに成功しました。

美しい芸術品のような構造体

暗く物置だった場所をスケルトン状態にしてタクタク/クニヤス建築設計がリノベーションを手がけました。昼間でも電気をつけないと暗い場所だったこのスペースは、大胆な状態まで構造をあらわにし、印象的な姿はそのまま魅せるように塗装がされました。立派な丸太梁から、細部を支えるもの、柱へと立体的に組まれた姿は美しく、まるで芸術品のような佇まいです。この構造躯体を魅せることで、玄関土間スペースは開放的で広々とした空間が生まれ、明るい光が陰影をつくるダイナミックな印象の間となっています。一度見ると思わず見入ってしまうに違いありません。

伝統的な空間の通り庭

町家は、間口が狭く奥に長い住宅です。通り庭は町家独特の特徴であると同時に、伝統的な空間として親しまれてきました。その設えは土間や、路地のような趣があるものなどさまざまです。この通り庭は風や光が抜ける町家にとっては大切な役割を果たし、また近所の方々との交流の場ともなってきました。一級建築士事務所 (有)BOFアーキテクツが再生させたこの町家は約築100年。1世紀の歴史がここに集まっています。ちらりと室内が見える障子や、吊り灯籠がなんとも言えない味わいを醸し出します。

小さな町のような土間

こちらは平野建築設計室の手によって、以前蔵として使われていた建物を移築し住宅へと再生されました。複数の棟がひとつの建物になるというユニークな住まいです。それぞれの建物の間にある土間空間は、昔ながらの町家のようにそれぞれの部屋をつなぐ役割を持っています。ときどき広い空間があったり、通路としてのスペースになったりと、室内でありながら室外のような位置付けはまるで小さな町のようです。土間によって部屋と部屋との間に心地よい距離感が生まれ、つながりながらも独立した独特の空間が生まれます。

和の意匠が生きる通路

有限会社 TEAMWORKSによる現代の新しい町家をイメージした家です。土壁に真壁の作りは日本独特の意匠です。和の空間には白銀比という日本の美のバランスがあり、空間の随所に使用され独自の美しさを築いてきました。また曲線や弓形などのポイントも装飾の中に見られ、直線の凜とした佇まいの中にやわらかさを加えます。土、木、竹など自然の素材をふんだんに使い、日本の気候に合った調湿効果などの働きがあり、また目に肌に優しい素材はどこかほっとする風合いが特徴です。

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