ガルバリウム鋼板の外壁が印象的!分棟型木造住宅

Michiko JUTO Michiko JUTO
通り庭の家, 株式会社エキップ 株式会社エキップ ミニマルな 家
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住宅地では建設の際、敷地面積の限界や近隣や周囲の道路からのプライバシーの確保等様々な制約が関わってくるケースが多いものです。それらの制約の中で設計するには工夫を凝らしたアイデアや時には大胆なプランが必要とされることもあります。今日紹介するのは分棟型の住宅で床面積の都合により1棟のみにトイレを設けた従来の慣例より優先したいライフスタイルを尊重した住宅です。設計事務所エキップが手がけたガルバリウム鋼板の外壁が印象的な住宅です。

ガルバリウム鋼板の外壁

南北に延びた細長い敷地の東側は敷地延長の通路、西側はお寺が建つ比較的開放性のある立地ですが、南側には3階建ての隣家が迫っており、南側からの採光がメインの課題となりました。中央の隙間部分に玄関を設け、それを挟んで南棟と北棟に分かれています。南棟はサイディング、北棟はガルバリウム鋼板の外壁とし調和と差異が同時に存在する外観です。

アクセントとなるクールな勝手口

道路に面した黒いシンプルなドアは勝手口です。外側にハンドルを設けず不思議な表情を与えています。ガルバリウム鋼板の外壁と極薄の庇と共にクールな印象を醸し出したファサードですね。

中庭兼玄関

建物中央部の玄関廻りです。張り出した庇は2棟を繋ぐ重要な構造体でもあります。モルタル仕上げの玄関ポーチやグレーの外壁とベージュ系の木製建具が調和した空間です。

小屋をイメージした内部空間

玄関を入るとオープンな間取りの主要生活空間が広がります。「小屋のイメージ」が希望された内装ではナチュラルな木目を見せるふんだんに素材が使われています。構造用合板で製作された造作家具などに施主自らがホワイトオイル塗装を施し、参加型の家づくりが実現しました。

中庭と繋がるリビング空間

玄関隣には前述の造作家具を隔てて中庭に向ってリビングスペースを配置しました。天井も木板張りとし梁も見せることで開放的かつナチュラルな印象を与えています。正面には空調機を収めた収納も設置されています。空間の有効利用のために様々な工夫が見られます。

吹き抜け上部の開口はふんだんに光を取り入れてくれる

さて南側からの採光についてです。本来生活主要空間は南棟に持ってくるというのが通常の配置なのですが、日中採光の不要な居室をあえて南境界に寄せて、北棟に主要空間を配置しています。そして中庭や吹き抜けの開口によって十分な採光を確保しているわけです。

森の中にいるような開放的なリビング

大きな開口を通して隣接するお寺の樹木の眺めを取り込んでいます。光とともに緑の爽やかな色彩を享受できる工夫が設計に盛り込まれました。なるべくLDKを広く確保したいという施主の要望からトイレを削らなくてはならなくなりましたが、それにも変え難い自然との共存が可能な家族が楽しく過ごす団らんの場を手に入れることができました。2階天井から下げた照明が空に浮かぶ風船のようで自由な雰囲気が漂うナチュラル感たっぷりのリビング空間です。

ワンルーム型のLDKで広々とした空間を確保

奥は勝手口を開けたところです。北側の道路が見えますね。プライバシー確保のため近隣に対しては開口の設置を極力抑えていますが、2階の開口部からの光が吹き抜けを通してリビングと一体となったダイニングにまで十分届く明るい空間に仕上がっています。

表情のあるタイルでガラっと印象が変わるキッチン

キッチンもナチュラルな素材で仕上げています。表面に起伏のあるタイルを貼った壁がキッチン空間に表情をもたらしています。

2階はテラスで空間に広がりを持たせる

北棟の階段を上がると左側の居室は子供部屋です。グリーンの壁が爽やかな印象を与える廊下に外部からの光が差し込む明るい空間です。北側のテラスの梯子は屋上へのアクセスです。垂直方向にも空間に変化を持たせた多様性に富んだ住宅です。

空間の重なりが生み出す豊かな視界

2階吹き抜けに面した部分にはワークスペースもしくは多目的スペースを設けました。吹き抜けに向って設けたはめ殺し窓を介して子供部屋に日の光が伝わります。小窓からは樹木の借景も楽しめますね。

収納計画にも豊富なアイデアを

子供部屋を見てましょう。床は柔らかなパイン材のフローリング貼りにした明るい空間です。ロフトの下にはたっぷりの収納スペースを設け、空間を有効に利用しています。多様性に富んだ開口や上下への動線が豊かな生活空間を創造します。

ドアのない仕切りだけの浴室がもたらす開放性

南棟に配置された水廻り空間です。天井以外タイル張りで統一した奥行きのある浴室です。浴槽脇には中庭に面して開口を設け換気を採光を確保しています。

タイルや衛生機器にもこだわる

洗面所とトイレを併設した空間は浴室とガラス板で仕切ることで一体感を持たせた広がりのある明るい空間としました。浴室の採光が洗面所まで届きます。両室に連続して貼られたブルーのタイルが空間の一体感をいっそう強調します。

天井の勾配が落ち着きをもたらす

南棟の2階は寝室として使用されている和室です。茶室を思い起こすような屋根の傾斜を生かした天井や細い木材で仕上げた手摺などが落ち着いた空間を作り出します。

ミニマルな和室は利用価値がいっぱい

この和室は客室としても利用できるように考えられており、本来和室が持っているフレキシブルな空間利用という特性を現代のライフスタイルでも是非生かしたいですね。

様々な建築要素が作り出す豊かな空間構成

和室から南棟を見たところです。構造上二階部分がせり出した庇部分は、1階に縁側的な空間をも作り出しています。様々な課題を抱えながら空間を最大限に利用し採光や換気といった快適な住環境への不可避な要件にきちんと対応した住宅です。また耐用年数や耐震性に優れたガルバリウム鋼板の外壁は人気の素材として注目を浴びています。もちろんデメリットもありますが、見た目もモダンでおしゃれなガルバリウム鋼板の住宅、これからますます増えていきそうです。

ガルバリウム鋼板の外壁が印象的な住宅はいかがでしたか?是非感想を聞かせてください!

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