ドアの種類やドアの名称について普段考えることはあまりないと思います。しかし、それは開き扉の実用性だけでなく、気密性や遮音性といった開き扉の性能面にも関わる重要な部分でもあります。そこで今回は、ドアの種類やドアの名称とそれぞれの特徴を紹介していきたいと思います。どのドアの開き方にも長所短所がありますので、設置場所に従って適材適所で選んでいきましょう!
開き扉として最も一般的なドアの種類の1つが「開き戸」です。これは、ドアを前後に押したり引いたりすることで開閉するドアの種類となります。非常に簡単な構造であることから、ドアの種類の中でも比較的安いコストで設置できます。ただし、扉が全開になった時に壁にぶつかって傷が付いてしまわないようにドアストッパーが必要となりますし、照明のスイッチやコンセントが開けたドアで隠れてしまう点、また開けた時に廊下を歩く人にぶつかる可能性があることから、設置する際にはそうした点に気を付けておくといいでしょう。
写真:Adrià Goula
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ドアの名称で「観音開き」という名前でよく知られている、「両開き戸」という開き扉を2枚合わせたものがあります。主に、収納スペースの扉として採用されることが多いタイプですが、その際は1枚の幅をあまり大きくしてしまうと、開けるためにドアの手前に広いスペースが必要となりますので、ドアの幅をコンパクトにしていくことをおすすめします。ただし、開け閉めに広いスペースを確保できるのであれば、全開した時の開放感が格別ですので、テラスなどの開口部に設置することもおすすめです。
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ドアの名称で「引違い戸」も一般的だと思います。開き扉は3枚や4枚といったように複数の戸で大きな開口部に取り付けることができます。複数の戸を左右に移動させることで、開口部のどこからでも出入りすることができる便利さが魅力でもありますが、反対に、開けた時に片側に戸が残ってしまうため、開口部全体を開けることができない点はデメリットとなるかもしれません。
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引違い戸と同様に引き戸の種類として「片引き戸」というドアの名称もあります。引き戸の魅力の1つは、車椅子や高齢者の方にとっても開け閉めしやすい開け方であることから、室内扉としてはもちろんのこと、玄関ドアとしても引き戸を採用する住まいが増えているようです。また、開き戸のように開けた扉が動線などのじゃまにならないことから、戸を開けっ放しにしておけるタイプでもあります。
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引違い戸のデメリットとして、開けた際に片側に扉が残ってしまうことがありましたが、このデメリットを解消した開け方になるのが「引込み戸」というドアの種類です。これは、開き扉が壁の中に収められる種類であるため、ドアを開けたままでもすっきりとした印象を生み出してくれますし、戸の開け閉めを気にせず、壁に沿って家具を置きやすくもなります。2枚3枚と複数の戸も壁の中に収めることができますが、その分壁の厚みが必要となります。
写真:Giorgio Baroni
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複数の戸を折り畳みながら開けていく「折れ戸」もおすすめの扉の開け方です。戸が折り畳まれることで、開き戸のように手前に戸が大きく出てこないことから、手前にスペースがあまりない場所にある押し入れなどの収納スペースの扉として採用しやすいタイプですが、開口部分に対してほぼ全開することができることから、テラスなどに面した大開口に取り入れても、室内と屋外を幅広くつなげてくれるため、開放的な気持ちのいい空間をつくり出してくれます。
縦方向を回転軸に外側へすべり出しながら開く窓のデザインでよく見られます。縦方向を回転軸に、窓枠の上下に設けられた溝に沿って室外側へすべり出しながら開きます。室外側へ90度まで開くので風を取り込みやすいというメリットあります。デザイン性の高さも魅力の一つです。