コンバージョン建築をご存知ですか?既存の建物を有効に再利用するエコロジーな方法の1つとして、最近注目されている改築方法です。今回は、住まいやアトリエ、商業施設としても魅力のあるコンバージョン建築の魅力についてご紹介していきます。
コンバージョン建築とは、既存建物の用途を変更しリノベーションを施して新しい建物へ再生させる手法を指します。リノベーションには修復、刷新という意味がありますが、コンバージョンは、採算の合わなくなったオフィスや工場など建物の間取り変更によって建築用途を大きく変える大がかりなリフォームです。アトリエセッテン一級建築士事務所が手がけるこちらの住まいは、鉄骨造倉庫内にアトリエ兼住まいを建てることで、用途を変えて新しく甦らせ、住まいに付加価値を生み出します。
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コンバージョン建築で蘇る建物の個性が大きな魅力と言えるでしょう。こちらはオレンジハウスが手がける元銀行を改築した住まい。玄関を開けると広がる倉庫や体育館のような広いガレージは、当時の面影を残しながら強い個性を生み出します。建物の解体や建て替えをすることなく、既存の構造躯体を利用して新しい用途へ生まれ変わるのが魅力ですね。
【コンバージョンについては、こちらの記事で詳しく紹介しています】
※コンバージョンで住まいをより自由なかたちに!その意味と知っておきたい5つのこと
クレジット: オレンジハウス
こちらは、利便性のよい立地に建つオフィスビルを改築した例。コンバージョン建築は、空きが目立つ物件を再度魅力的に蘇らせるという利点があります。特にこちらのようなオフィスビルは、もともと内部の間仕切りが少なく、窓ガラスも大きく取ってあることが多いので用途変更は自由度が高いと言えるでしょう。また、低コストで済み、建て替えに比べて工期が短いことも魅力の一つです。
クレジット: 写真家 冨田英次
コンバージョン建築は、建物の有効利用によって自分らしいライフスタイルの住まいをデザインできるのが魅力です。例えば、こちらは築40年のヴィンテージ倉庫を全面改装し居住空間として再生させた住まい。元倉庫の利点ともいえる高い天井高とがっしりとした構造は、インダストリアルな雰囲気を空間に生み出し、好みのヴィンテージ家具がスッキリと馴染む居住空間が生まれました。
コンバージョン建築は、既存の構造躯体を生かし雰囲気や表情を残しつつ、新しいライフスタイルを生み出せるのが魅力です。こちらも天井が通常の住宅よりも高く、また構造現しで見せる鉄骨やコンクリートの表情や質感が空間の個性として現れます。特にインダストリアルやブルックリンスタイルなどのインテリアを実現するのには最適な空間と言えるでしょう。
クレジット: PHOTO:森川貴史