石の床材を検討する理由

林 直樹 林 直樹
Cobertura de luxo, Espaço do Traço arquitetura Espaço do Traço arquitetura Modern corridor, hallway & stairs
Loading admin actions …

日本ではあまり一般的ではないかもしれませんが、欧州を中心に古来より石は床材として重宝されてきました。現在のヨーロッパの都市を見ても石畳の街並みが続き、石材を用いた住居なども多く存在します。近年では天然石に比べて機能的なタイルや人造石が注目されていますが、今後は天然の石も見直されると考えられています。そこでこの記事では天然石を中心に、石の床材についてご紹介したいと思います。

天然石の床材の特徴とは

天然石の床材の特徴といえば、やはり高級感や気品が漂う質感でしょう。美しく磨かれた大理石はその優雅さから、古来より多くの人に愛されてきました。天然石はひとつひとつ違う模様、年々素材ならではの質感が特徴になります。色も石の種類によって異なり、大理石や石灰石は主に明るい色合い、御影石は主に黒い色合いになりますので、空間によって使い分けが必要です。しかし実際はあまりケアが簡単な素材でないことも事実ですので、色や用途、設置場所を十分検討する必要があるといえます。空間の印象はこちらも参考になります。

石の床材の性能について

石材は、強く割れにくく、傷つきにくく磨耗しにくいと考えらていますが、現在ではタイルの進化や人造大理石の開発により、必ずしも他の健在と比べて優れていると言い切れるとは限りません。実際、天然石は水分を含みやすく、液体をこぼした場合はシミになりやすいので、メンテナンスをしっかりすることが重要です。また傷がついた場合は白っぽくなりやすいので、定期的に専門業者に依頼して磨き直してもらいましょう。しかし一方で、カーペットみたいに汚れが絡みにくいので、掃除は比較的しやすい床材といえます。

健康的な理由

建材でしばしば問題なる健康被害。その多くは建材自体に含まれる物質よりも接着剤など加工する際に使われる人工的な化学物質が原因です。しかし天然石に限ってみれば、自然界に普通に存在するものであり、貼り合せや塗装などをしていませんので、そういった心配はありません。

どこに使うべきでしょうか?

それでは、石の床材をどこに使うべきでしょうか。欧米のような靴を履いて生活をするスタイルであれば、室内どこでも使えますが、日本の場合はそうはいきません。一般的には玄関周りや共有部分の廊下や階段などに使う方がいいでしょう。やはり見た目に美しいことから、魅せる場所に使う方が一般的です。室内に使う場合は、一面をずらりと石の床材で埋めるのではなく、暖炉の前など、部分使いが上手なインテリアコーディネーションといえます。

メンテナンス方法

石はメンテナンスが少し大変です。液体をこぼしてしまった場合はすぐに拭き取りましょう。水が染み込んでしまうとシミのようになってしまいます。また油汚れも同様です。仮に染み込んでしまった場合は、専門業者に磨き直してもらうことで、美しさを取り戻します。ほかには長く使っていると傷が目立つようになってきますので、その場合も業者にお願いしましょう。石材販売会社から保護剤が発売されていますので、そういったもので保護する方が良いでしょう。一方でタイルのように目地が大きく目立たないので、目地の汚れはそれほど気にしなくても日々の掃除でカバーできそうです。写真はOARK一級建築士事務所の浅間台の家。

空間デザインに生かす

石材はやはり、空間の印象を良くしてくれる効果があります。日本で言えば、庭の飛び石出会ったり、外の空間と中の空間をつなぐ場所に配置したり、室内でも階段部分や、部屋のアクセントとして使うことで単調になりがちな床のデザインを良く見せてくれます。石材の持つその美しさをインテリアやエクステリアに生かすことで、一層素敵な家が完成します。ぜひ検討してみてください。石を空間に生かした事例はこちらから。

Need help with your home project?
Get in touch!

Highlights from our magazine