ファサードに最も適した色は?

Nami Sasaki Nami Sasaki
Lucid Stead, royale projects : contemporary art royale projects : contemporary art Eclectic style houses
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ファサードはいわゆる建物の顔。いくら内部がセンス良くまとまっていても、それは使う者にしか分からない良さです。目を引く外観を生み出すのに大事な要素のひとつとして、色が挙げられます。デザインと色が見事に融合した時、建物はランドマーク的存在として輝き始めるのです。今回は、そんな色を巧みに使ったファサードの数々を紹介します。スタイルや好みに応じた、適切な色使いを知りましょう。

砂漠の真ん中でアーティスティックに

まず初めにご紹介するのは、アメリカ人アティーストによってカリフォルニアの砂漠のど真ん中に建てられたこちらの小屋。地平線が見渡せるほど何もない広大な敷地に突如として現れ、異彩を放つそのファサードデザインに誰しもが驚くでしょう。鏡とダークウッドを交互に貼り合わせた外観は、周りの景色を写し込み、まるで蜃気楼のように、そこに存在するのかしないのか曖昧な印象を与えます。さらに日が落ちると開口部はコンピュータ制御された特殊なLEDによってカラフルに染め上げられ、ますますアーティスティックな外観に。変わりゆく空の色と人工的に変えられるドアや窓の色のコラボレーションという、これ以上カラフルなファサードは世界中探してもそう見つからないでしょうね。

太陽の色

メキシコの建築家Excelencia en Diseñoが手がけたこちらの住宅は、降り注ぐ太陽の光をそのまま具現化したかのような、明るいローズピンクとオレンジの壁が白い躯体によく映えています。全体的にボックスの集合体のような形をしているので、箱ごとのカラーバリエーションがあると視覚的に楽しいですよね。太陽などのテーマをもとに、関連する色を使うと統一感のある仕上がりになります。

山小屋に適した色

赤く塗装された壁面が可愛らしいこちらの小屋。手がけたのはCottage Style (コテージスタイル)です。森の中に佇むコテージは、まさに大人も童心に戻れる、秘密基地のような場所なのではないでしょうか。こちらのコテージは6.1坪と決して広くはありませんが、大きな別荘にはない、こじんまりとした居心地の良さを感じることができます。そんな山小屋にぴったりの色は、なんといってもこちらのような温かみのある赤ではないでしょうか。周囲の木々に完全に埋もれてしまうこともなく、冬の雪景色にも映える暖炉の炎のような色。ここで過ごす特別な時間は、子供達にとっても大切な思い出となりそうです。

淡い色でまとめる

こちらは瀬戸内海を臨む高台に建てられた別荘。スタジオドディチが手がけました。南ヨーロッパのリゾート地らしい外観は、淡いクリーム色やオレンジ色に、アクセントのオリーブ色で縁取られた小窓がポイント。屋根はテラコッサでしょうか、絶妙なグラデーションが、壁の色味とよく合っています。こちらのように屋根と壁の色を揃えてしまうのも、すっきりとした印象を与えたい場合に非常に効果的です。こちらでは壁と屋根はバックグラウンドに回り、装飾のある壁や遊び心のある窓に自然と目が行くよう考えられています。

伝統ある蔵の色

白ピンク黒と3棟の蔵が仲良く並ぶこちらのお宅。平野建築設計室によって手がけられました。廃棄予定だった蔵を移築再生し、間にガラスのボックスを挿入することで、外部と内部が一体となったかのような変化のある空間構成を楽しめるつくりとなりました。蔵や古民家をカラフルに塗装し直すというのは、なかなか敷居が高いと考えられがちですが、古材や建具を再利用すれば、新旧混在のレトロモダンなお洒落な雰囲気を作り出すことができます。ぱっと目を引く可愛らしさも、カラフルな建物ならではですよね。

白にブラックエッジを効かせて

日本とは思えない異国情緒が漂うこちらのお宅はSANKAIDO | 株式会社 参會堂によるもの。ライトアップされた柱が、まるで歴史ある公共の建築物かのようですね。こちらのファサードは、真っ白の外壁を縁取るかのように、黒のすっとしたラインが効いています。水平を強調するその線は、窓のサッシとも合わせて、全体を引き締める効果を生み出していますね。甘くなりすぎず、クラシックすぎず、絶妙なさじ加減のデザインです。

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