広く大きな家を持つことは誰にとっても憧れです。けれど予算の都合や都心の住宅事情などでそううまくいかないことも多いのではないでしょうか。狭い敷地でも広々と暮らせるアイディアをご紹介いたします。
なにはともあれ、まずは片付けをすることが第一です。ものが多く煩雑な空間はそれだけで狭く見えてしまうものです。けれど整理整頓とはやり始めるまで面倒で腰が重くなりがちなことですよね。毎日苦なく継続して片付けられる工夫をしたいものです。それぞれのお部屋のスタイルやご趣味にあった収納方法があると思いますが、写真のような見せる収納はすっきりとした空間を維持しながら自分の好きなものを身近に感じられ、楽しく片付けの時間も過ごせそうですね。
こちらはCOIL松村一輝建設事務所の設計による、大阪市に建つ住宅です。建坪10坪という小さな敷地ですが、窓から入る明かりが直線状に伸びた白い壁を明るく照らし、実際の面積よりも空間を広々と見せています。生活するうえで外の光を感じることは大きな開放感に繋がります。また明るい色の壁紙は閉塞感を減退させ、視覚的に広がりをもたらす効果があります。光と明るい色を組み合わせて家という箱そのものを大きく見せましょう。
東京に建つこちらの住宅も周囲を建物に囲まれた小さなお家です。けれど壁一面を窓にしたことで正面の公園の緑が目に入り、自然を感じる開放感いっぱいの空間になっています。外との繋がりを演出する窓を大きく取ることで、室内に明るさと広さをもたらすことができますね。 Photo:鳥村鋼一
部屋の中で一番場所をとるものは、なんといっても家具です。この大きな面積を占有する家具の選び方を工夫することで部屋を広く使いましょう。例えばドイツのデザイナーによるこちらのソファは正方形を組み合わせた形になっており、状況におおじて用途を変えることが出来ます。家族でくつろぐときはL字型に、お客様が来たときは対面式に、そして写真のように組み合わせてベッドにすることも出来るのです。応接間、寝室、リビングと多くの部屋や家具を持つことが出来ないお家でも、このようにマルチユーズな家具を選べば一つで済み、貴重な面積を割く必要がありません。
狭い家で家族が伸び伸びと暮らすために必要なことは、その動線をシンプルにし、一日で何度も行き来のあるスペースを窮屈に感じさせないことです。大きな情報を分かりやすく整理するようなすっきりとした動線が求められます。こちらの住宅ではスキップフロアを多く用い、壁を出来るだけ少なくしたことで視覚的な圧迫感を減らすことに成功したばかりでなく、物理的な人の簡単な行き来を可能にしています。ただそこにいるだけでなく部屋の中で実際に動いて生活することを計算した家づくりをしましょう。