適材適所の壁

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マルコビッチな家, SASAKI YOSHIKI ARCHITECTS STUDIO SASAKI YOSHIKI ARCHITECTS STUDIO Eclectic windows & doors
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家の中で大きな面積を占める壁は、住む人のセンスやその場所の使い方によって様々なニーズがあるものではないでしょうか。それに応え、壁の素材も多様化してきています。適材適所の壁の素材をご紹介いたします。

自然の音の中で暮らす木材

江南市に建てられたこちらの住宅は、施主様と建築家が一緒に位置から設計したこだわりのログハウスです。ログハウスらしく、屋内は木材がふんだんに使われており、木のぬくもりを感じながら伸び伸びと暮らせる空間となっています。木材の壁は、吸音性と遮音性が人間にとってとても適度な素材です。コンサートホールでは、多く内装に木材が用いられています。あれは外からの遮音性にも外への防音性にも、そして室内の反響の面でも、木材がとても優れているからこそのものです。木材は、例えばコンクリートよりも遮音性は劣りますが、家の中はただ静かであればいいと言うものではありません。木材の遮音性は、交通量の多い道路のそばや飛行場の近くという立地でも耐えうるものでありながら、虫の声など自然の音は通すという繊細で適切なものです。こちらの住宅も道路に面して建てられていますが、車の音を気にせず心地良く過ごせるお家となっているのではないでしょうか。都心にこそ落ち着いて、なおかつ自然を感じられる木材の壁を取り入れていきたいですね。

湿気に強い煉瓦

エスプレックス ESPREXの設計によって大阪府に建てられたこちらの住宅は煉瓦造りと白い壁のコントラストが美しい二つの素材を使った外壁となっています。屋内にも煉瓦が使われており、その一つ一つ違う色合いや風合いが、モダンなリビングに表情と奥行きを与えています。一つ一つの内部に空間がある煉瓦を積み上げて作られる壁は、その中空が優れた呼吸機能を果たすことによって結露を起こしにくく、劣化を防ぎます。湿気の多い日本の気候にも適した素材と言えますね。また焼き物なので、塗り直しなどのメンテナンスが必要なく、年月とともに深まる味わいを楽しめるのも煉瓦造りのメリットの一つです。耐久性や遮熱性、不燃性も兼ね備えているので、丈夫で災害に強い家を作りたい方にもおすすめの素材です。

汚れや電気に強いプラスチック

現代美術化である施主様が、住宅としてだけではなくギャラリーとしても使うことをご希望だったこちらのお家は、玄関の扉がグレーチングというプラスチック素材でできています。光は通して視線は遮るこの素材は、プライバシーを守りつつ明るい空間を確保したい場合に重宝します。ここでは玄関に使われていますが、プラスチックやアクリル系の素材は耐水性や電気の絶縁性に優れていますので、腐食や漏電が気になるキッチンやバスルームの壁素材としても優秀です。

水に強いタイル

耐水性や耐久性、防火性や耐摩耗性などにも優れ、メンテナンスがとても楽なタイルは何と言ってもバスルームやキッチンなどの水回りに最適でしょう。デザイン性が豊富なので、こちらの住宅のバスルームのように、色や大きさ、柄の組み合わせで遊んで内装を楽しめることも魅力の一つです。モザイクのようなタイルが、バスルームに明るさをもたらしていますね。

スピーディに施工できるビニールクロス

現在住宅に置いてもっとも一般的に多く使われているのは壁紙ではないでしょうか。そのうち、特にビニールクロスは高い印刷技術やエンボス技術によってさまざまなデザインのものがあり、イメージに合わせた部屋をコーディネートすることが出来ます。また、ビニールクロスは他の素材に比べて施工が簡単で、比較的安価に住むこともひとつの魅力です。例えば写真のように、白を基調にした空間にアクセントとして大胆な柄のクロスを取り入れてみてはいかがでしょうか。模様替えも簡単に出来ますので、思い切ったイメージチェンジがしやすいのではないでしょうか。

数ある壁紙からこだわりのものを

先にも上げた壁紙はたくさんの種類があります。部屋の印象を大きく左右する部分だからこそ、好みのものをこだわって選びたいですね。写真は奈良県生駒市に建てられた住宅の、施主様のご趣味のためのお部屋です。お琴を弾くためのこの空間の壁紙は、和紙が貼られています。日本古来の文化を愛でるお部屋にぴったりの趣のあるないそうですね。独特の素材感が、空間に柔らかい印象を与えています。

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