解放性とプライバシーを両立する終の棲家

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矩のつらなり, 池田雪絵大野俊治 一級建築士事務所 池田雪絵大野俊治 一級建築士事務所 Roof
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定年後、日常を愉しむならどんな住まい方があるのでしょう。趣味を愉しむにも、地域と関わり合うにも、住まう家のプランでそんな日常を積極的になれるようなサポートが出来るはずです。ご紹介するのは趣味を愉しみながら暮らせる家。池田雪絵大野俊治 一級建築士事務所が手がけるこちらの「矩のつらなり」の家は、「リタイア世代のすまい方のポジティブな可能性を探すプロジェクト」として誕生した住まいです。ゆったりと大らかな敷地は移住となった新天地。地域の人たちと関わり合いながら趣味やこれまでの経験を活かせるような解放性とプライバシーを両立させた住まいとなりました。

緑に包まれる気持ちのいい外観

お施主さんが新天地として選んだ場所は近くに竹林や小川などの穏やかな自然に囲われたロケーション。ゆったりとした敷地に建つ本住宅は黒一色の外装と豊かな植栽の緑が印象的です。幅広い石畳のアプローチを進むと植栽の木漏れ日と澄み切った青い空に心和むひと時を味わうことが出来そうですよね。建物の外形を隠すような植栽の緑が周辺に馴染みながらも住人のプライバシーを守ってくれています。 

リビングとダイレクトに繋がるフレンドリーな玄関

玄関土間へと踏み込むと、ダイレクトにリビングスペースへと繋がるプラン。ワンクッション置くようなエントランスや廊下といったスペースを省いてリビングで寛ぐ住人と来客とが会話できそうな距離感が何ともフレンドリーな空間です。日本の民家に見られるようなスタイルに近いのかもしれませんね。もちろん、プライバシーを確保したい時はフレキシブルに開閉可能な引き戸も設けられており、気分に応じてコントロール可能な空間です。

特徴的な屋根と機能的な平面プラン

リビングスペースからダイニング・キッチンスペースを見ると、目の端に庭の風景を見通せる気持ちのいい眺め。導線は玄関からすこし角度をつけることで、オープンでありながら視線をカットでき、程よい距離感を保つことが出来ます。勾配天井となった開放的な空間と庭先の風景が何とも心地のいい空間に。楽器奏者でもあるお施主さんの為に、小さな音楽ホールとしても活躍できる空間です。室内をステージに庭先や玄関土間から聴衆で賑わっている様子が目に浮かびませんか。

集まりたくなる開いた空間

庭先から建物を見通すと、お庭を包むように折れ曲がった平面プランが見て取れます。石畳の広い庭と豊かな植栽、それに向かって開く大きな開口が緩やかな風や柔らかい日差しを室内へ取り込み、長居したくなる場所を作っています。屋内外を心地よく繋ぐことで、外へ出かけない日でも庭先で近所の方と過ごす一日もいいですよね。

繋がりを愉しむ心地のいい住まい

奥様は元幼稚園教員とあって、子ども文庫をたっぷり収納できる空間と、子どもたちが本を読めるようなスペースも設けています。玄関アプローチのすぐ脇に位置する子ども文庫スペースは室内へと上がりこまなくとも本を読んだりおしゃべりできるプランに。地域の人と程よい距離を保ちながら、お施主さんの得意とする分野を生かせる住まいづくりは定年後の日常を充実したものにしてくれるのですね。

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