住まいにぴったりの屋根材の選び方

Takashi Sasaki Takashi Sasaki
三田の農家-ANNEX/GAZEBO, eu建築設計 eu建築設計 Country style house
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家の外観を考える時に、屋根は最も難しい部分の1つです。切妻屋根や陸屋根などの屋根の形も問題ですし、どの素材を屋根に使うかも重要になってきます。その屋根次第で家全体の印象も全く変わりますし、屋根材にも色々な種類があり、機能や外観に大きく関わってきます。そこで今回は、どんな屋根材があって、それがどんな機能や特徴を持っているのかを外観のデザインに与える影響と合わせて紹介していきます。

和瓦

屋根材と聞いて一番に思い浮かぶのは、この和瓦ではないでしょうか。粘土からつくられるので、他の素材よりも屋根が重くなり、しっかりと家の耐震性能を考えてあげる必要がありますが、断熱性や遮音性が高く、瓦自体のメンテナンスは半永久的に不要です。日本家屋には、やはり昔ながらの和瓦が一番合いますし、家だけではなく日本の風景にも一番馴染む素材です。

写真:中村大輔/中村写真工房

洋瓦

屋根を考える上で、外と内をきちんと関連させることはとても重要になってきます。家の中が洋風であれば、屋根にも洋風の素材を使いましょう。自然なやさしい赤色の洋瓦は、北欧スタイルの住宅などによく合いますし、その雰囲気をより強くしてくれます。その屋根の赤色と組み合わせるように、扉の色やエントランスへのアプローチ部分のタイルの色なども考えてあげるといいですよ。

ガルバリウム鋼板

金属系の代表的な屋根材の1つにガルバリウム鋼板という屋根材があります。防サビに優れていて、また耐熱性や耐久性も高い素材です。薄い金属の板なので加工がしやすく、それに色の種類も豊富なので、屋根だけではなく雨樋や壁といった外装材にも使われます。こちらの田村の小さな設計事務所が手掛けた住宅の外観には、焼き杉のノンブラシ仕上げとガルバリウム鋼板が使われていて、とても落ち着きのあるモダンなデザインとなっています。

写真:TechniStaff・Y.Harigane

スレート

粘板岩を薄く加工したものを「天然スレート」といい、セメントと人工繊維や天然繊維を混ぜ合わせてつくり表面を塗装したものを「化粧スレート」といいます。化粧スレートは和瓦に比べると軽く、色の種類も多様でシンプルなデザインなので、近年とても人気の高い素材の1つです。こちらのこぢこぢ一級建築士事務所が手掛けた週末住宅は、時を経るごとに風合いを重ねる「本物の素材」を使って「いにしえからそこに在る」という佇まいを目指したそうです。その屋根には天然石のスレートが使われていて、すっきりとしたモダンなデザインながら時が感じられる趣があります。

銅板

日本の神社や寺院の屋根で、青緑色をしたものを見たことはありませんか?それは実は、銅板で作られた屋根なのです。日本家屋でも古くから使われてきましたが、最近では銅板の屋根を見かけることは少なくなりました。それでも、緑青(ろくしょう)と呼ばれる青緑色の銅の錆に魅力を感じる方はまだまだいらっしゃると思います。こちらの事務所併用住宅に使われている銅板には、地域の住民による桜の刻印が刻まれています。商店街に建てられたこの銅板をまとった建物は、次第に青緑色に変化していき、地域に根付いていくことでしょう。

セメント瓦

セメントで形作り塗装して仕上げた屋根の素材をセメント瓦といいます。粘土でつくられた和瓦と比べると安いですが、塗装を定期的にするなどメンテナンスが必要となります。塗装で仕上げるので、その分たくさんの色があり、望み通りの色が見つけられるかもしれません。また、セメント瓦はとても寸法精度が高く、屋根に並べてみるとズレのないきれいに仕上がりになります。

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