驚きのギャップを持つ家

Emi M Emi M
House in Umamioka, 設計組織DNA 設計組織DNA Modern houses
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近隣は高級住宅地にも関わらず、この敷地は三角形の特殊な形態のためか比較的安価に売れ残っていました。その特徴は北向きではありますが、奈良盆地西南部に位置する馬見古墳群と隣接する公園や池が、樹木の向こうに広がっているという緑豊かな素晴らしい環境であるということ。しかも市街地調整区域であるので、将来建物が建つ可能性も低め。クライアントの希望は風景を活かした設計としてほしい、というものでした。DenNen Architectureはどのような住宅を建てたのでしょうか。

道路側外観

三角形の平面をもつ地下1階+地上2階の木造住宅です。道路側からは地下(駐車スペース)+平屋に見えます。敷地より間口が大きく、コンテンポラリーでどこか近未来的な印象も抱かせる外観ですが、近隣住宅とのスケール感から逸脱しないよう高さが抑えられたデザインに、また屋根に設置された太陽光発電パネルが見えないように、二階の配置と屋根勾配にも配慮したデザインとなっています。

北側外観

佐味田宝塚古墳と隣接する公園や池が樹木の向こうに広がっている北側からの外観がこちら。ガラスの大開口部とテラス、そして木材が印象的な、道路側外観とはまったく違う姿に驚きます!道路側外観は閉じられたファサードデザインに、ダークグレーのガルバリウム鋼板と白く塗られた地下部分がハイコントラストで都会的な雰囲気だったのに対して、北側は自然豊かな森の中に建てられた山小屋のような大らかさとラスティックな穏やかさに満ちています。室内空間に期待が高まります!

リビングルーム

こちらが二階にあるリビングルームです。緑豊かな自然をたっぷりと取り込んだ室内です。部屋の端から端までパノラミックに取られた開口部が視界一杯に自然を取り込み、またダイナミックな傾斜を描く天井と梁も相まって、大きな木の下にいるかのような安心感と居心地の良さを感じられるリビングルームとなっています。建物全体のプロポーションを整えるため、こちらの天井高さは梁下の低い所で1600ミリと極端に抑えた高さとなっていますが、北側の圧倒的なスケールの開口部と木材を中心とした穏やかなインテリアで圧迫感はまるでなく、むしろ適度な低さが落ち着きを生む快適な空間となっています。

自然に馴染むインテリア

違うアングルから。太い梁とシンプルな照明、土色にも良く似たアースカラーのフローリングが背景の樹木とよく馴染みます。太陽光発電システムを搭載しつつ、薪ストーブの自然な炎による暖房も利用するという、新旧のうまい使い分けが現代流です。左手の黒いボックスはアイランドキッチンです。このアイランドがキッチンとリビングをつなぎつつも、キッチンの生活感を出さないよう空間を仕切ることで、より広々とワイルドに自然に没頭できるリビングルームとなりました。

​一階

一階にはスタディスペースが配置されています。道路側スペースは吹抜けに、そして低い位置にスリット状の開口部を設けることで、適度に閉じられつつ開放感もあるという絶妙なバランスを持った空間となっています。開口部は少なめですが、白い壁に光が拡散し十分な明るさを持った室内です。

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