ピロティは役に立つ?

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ピロティという建築用語を聞いたことはありますでしょうか?それは2階建以上の建築で、1階部分が柱のみの外構空間となっている建築のことです。この建築はフランスで活躍した建築家ル・コルビュジエが1931年にパリ郊外に建築した住宅が広めたと言われており、近代住宅のひとつの様式と言われています。主にヨーロッパを起点として世界中に広まったこの様式は日本の近代建築でも積極的に取り入れられています。この記事では「ピロティは役に立つ?」と題して、そのメリットについてご紹介します。

スペースを有効活用する

ピロティの最大のメリットは1階部分を住居以外の用途に使えることです。特に都市型住宅では土地面積が狭いので、1階にガレージを置くことができないことがありますが、1階部分を柱だけにすることで、その部分を駐車場にしてしまい、住居空間を2階以上に持ち上げることでスペースを有効活用しようということで、積極的に採用されてきました。写真のように設置して、1階部分には入り口と2階に続く階段と最小限にすることで、ほぼ土地面積分を外構空間として利用することができます。写真は株式会社CAPDのウキウキハウス。


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ピロティと建築面積

スペースを有効活用する方法とご説明しましたが、もうひとつピロティと床面積は建築基準法でもメリットが享受できると言われています。室内型ガレージは延べ床面積の1/5までは容積率算定には入れなくて良いという法律がありますが、広いガレージを作る場合、1/5を超えてしまいます。ピロティの床面積は容積率算定には初めから入りませんので、ガレージとして使うことも可能です。また容積率分を住居部分で十分に使用することができますので、住居部分の空間確保にも有利といえるでしょう。


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水害に強い

東日本大震災で津波から残ったことから、水害に強いと理解している人も多いとおもいます。確かに壁がない分、波の圧力を受けにくいので、津波に強いといえるでしょう。また風通しもいいので、台風などにも有利に働くと考える人もいるようです。現代では耐震性も強化されていますので、1階だけが柱だからといって、地震に対して極度に不安になる必要はないとおもいます。ピロティ建築はきちんとした施工と設計を基にして考えれば災害と相性がいいと考える人もいるようです。

写真撮影:三好芳昭


【住まいづくりついては、こちらの記事でも紹介しています】

 小さな家にパーフェクトな多機能家具20選!

様々なアクティビティを行えるピロティ

ピロティは建築の外部空間ですが、使い方次第ではさまざな生活空間に転用できます。例えばガーデンとして使うこともできますし、BBQをしたりするスペースとしても使えます。上部が住居空間ですので、天候をあまり気にせず使用することができますし、高さや計画次第ではふんだんに光を取り入れることも可能です。住居の外構としての様々なアクティビティを受け入れてくれる柔軟な空間として使えます。

外観のデザイン

他の住宅と差別化できることも含め外観には特徴があります。まず外観が格好いいという点があげられると思います。長く住む家ですから、外観にはこだわりたいということであれば、その希望を叶えてくれると思います。また1階分を使わない分、生活感を感じさせるものを1階にに配置せずにすみますので、視線を気にせず生活が送れるということも大きなメリットと感じるひともいるのではないでしょうか。住宅の外観のデザインに関してはこちらから。

まとめ

ピロティは様々な面において、メリットがあるといえるでしょう。空間を有効に使え、様々な活動を受け入れてくれますし、法律面も面積算定に組み込まずに済みます。また一部の災害に適しているとも言われています。このことを考えると主に都市型住宅に向いていると入れるでしょう。まさに今新しい住宅を検討しているひとは一度検討してみてはいかがでしょうか。


住まいの空間については、こちらの記事でも紹介しています

※ 離れで理想の暮らしを!その魅力とは

※ ポーチを便利でおしゃれにする6つのアイデア

※ コートハウスで都会の暮らしも快適に!その特徴とメリット


追記:ピロティと建築面積をもう少し詳しく

ピロティは建築面積に含めます。建築基準法では、ピロティと建築面積は「通路」として使用する場合にはピロティは床面積に算入しません。しかし「駐車場」にする場合にはピロティは床面積に含めなければなりません。


例えば、こちらの住宅は、太平洋の大海原を眺められる立地にあるこの住まいは、室内からその美しい眺めを楽しめるだけでなく、玄関先でも水平線を眺めることができ、


追記:幻想的なライトアップで印象が変わる

こちらはまるでフラミンゴのような鉄パイプが4方向に取り付けられた住まい。これらがこの建物のユニークな構造をつくっています。エントランスはガラス張にすることで浮遊感をより強調します。夜間は天井を照らし幻想的な浮遊感をつくり出し、昼と夜で家の印象が変わる個性的な外観がデザインされています。

クレジット: L.D.HOMES@

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