和モダンというスタイルは、伝統を大切にしながらも、現代のライフスタイルに合わせたアレンジがなされているのが大きな魅力。古民家再生のような伝統的なスタイルが強く出るカスタマイズもありますが、逆にモダン寄りのデザインも。和モダンのカスタマイズは、私たちが思う以上に幅広いものです。今回は、いろいろな実例を見ながらアレンジの可能性について考えていきます。気になるスタイル、見つけてみてくださいね。
和モダンは、伝統も現代的なスタイルも両立させることのできるものとして、多くの人から注目を集めています。特に、古民家再生といった古い建物を、現代人にとっても過ごしやすいものにするカスタマイズは人気が上昇中です。こちらのお宅は、滋賀のタクタク / クニヤス建築設計が手がけたもの。江戸後期に建てられた町屋で、改修前には洋風のアレンジがなされていたものを、古い建物の美しさを活かして作り替えられています。
フローリングでの生活に馴染んできた世代にとっては、やはり床は畳よりも板張りにすることが自然になってきているかもしれません。また、高齢の方でも膝を悪くされている場合には、椅子を使う方が体の負担が少ないということも。木を多用したインテリアは、あたたかな印象になりますが、例えばこちらのお宅では、窓に障子を設置することにより、和モダンを感じさせる空間へと転換させています。
白い壁に黒々とした柱や梁が美しく縁取るこちらのお宅のLDK空間は、吹き抜けで大きく開けられた窓からは、燦々と光が降り注ぐ気持ちの良い内装となっています。フローリングにテーブルに椅子、またソファなどといった洋風の設えでありながらも、どこか和のテイストが感じられるのは、古民家などにありがちな梁のせいでしょうか。中庭の自然が屋内からも間近に感じられるのも、伝統的な日本家屋によくあるスタイル。
Photo: Higashide Photo Studio
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モダンなインテリアであっても、伝統的な意匠をわずかに取り入れるだけでも、驚くほど日本らしさが引き立ちます。こちらのリビングでは、木を多用した空間ですが、何より目が留まるのが階段脇にある細い格子。シンプルながらも存在感のある意匠である格子は、どんな空間にも驚くほどしっくりと馴染むもの。和モダンのカスタマイズを考えるのであれば、どこかには必ず取り入れたい意匠です。
【和モダンについては、こちらの記事でも紹介しています】
和室の美しさは、今でも多くの日本人が認めるところだとは思いますが、日常的に床の間を飾ったり軸を掛けて愛でたりということをされている方は、かなり少なくなってきているのではないでしょうか。床の間や違い棚のような伝統的な和室の設えは、多くのご家庭では求められなくなりつつあります。とはいえ、そうした空間もアレンジを加えることによって和モダンらしさが引き立つことも。こちらでは、テレビ台や収納スペース、書斎スペースとしてカスタマイズされています。