ダイニングでの過ごし方というのは、朝昼晩の食事はもちろんのこと、勉強や仕事などちょっとした作業にも使うことがある住まいの中心となる空間です。LDKを取り入れる住まいも多いことから、その間取りやデザインはより重要なものになっています。そこで今回は、ダイニングの間取りやテーブル・椅子、照明に至るまで、その計画をする前に是非知っておきたい基本知識を紹介していきたいと思います。
ダイニングを計画していく上でまず押さえておきたいのが、LDKに開放感を生み出すことを心掛けることです。キッチンがあり、ダイニングを挟んでリビングがあるような間取りでは、中間にあるダイニングによってLDKの大きな空間が分断されてしまうことも出てきます。そうならないように、収納家具などは壁面に配置したり、ダイニングチェアの背もたれも極端に背の高いものにしないことなどによって、視線が遮られないような空間づくりをしていきましょう。
写真:A.FUKUZAWA
ダイニングの計画では、それだけで考えていくことは出来ません。当然キッチンやリビングとのつながりを含めて設計していくことになります。そうしたつながり方というのは様々なかたちがあるので、それぞれの家族のライフスタイルに合わせてデザインしていくことが大切になってくるでしょう。例えば、キッチンで調理をしている人とダイニングに座っている人で会話を楽しむという家族であれば、対面キッチンにカウンターを設置するなどのキッチンとダイニングのあり方を検討してみることが考えられます。
ダイニングの広さをどれくらいにするかということで悩まれる方も多いでしょう。その大きさを決める際には、しっかりと食卓の使い方に合わせた広さにしていくことを心掛けていくといいでしょう。後でも述べますが、家族構成に従って何人掛けのテーブルを置くかということも大事ですが、それだけでなく、例えばゲストが来た際にリビングよりも食卓でもてなすということが多いという場合は、リビングよりもダイニングを広くしてみることも検討してみるといいと思います。
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上でも少し述べましたが、ダイニングはキッチンとの関係性が強いことから、その間取りなどもキッチンレイアウトによって大きく変わります。ここでは、大きく2つに分けて見ておきましょう。まずは、壁付きキッチンです。このキッチンレイアウトは、コンロやシンク、キッチン台が全て壁側に配置され、ダイニングは調理をしている人の背後に位置するかたちになります。この間取りでは、キッチンスペースを節約し、ダイニングやリビングを広く取ることができることに加えて、振り向くだけで配膳ができることなどが魅力となります。
壁付きキッチンに対するのが、対面キッチンになります。これは、台所にいる人がダイニングやリビングに向きながら調理をすることになるキッチンレイアウトになることから、家族のコミュニケーションが円滑になり、家族団欒のLDK空間にしやすくなります。また、子育て世代にとっては、食卓で勉強をしている子どもの様子や、まだ小さい子どもであっても、リビングにいる子どもの姿を見ながら食事の支度をすることができるような安心感をもたらしてくれる間取りとなります。
写真:黒住直臣
近年、対面キッチンを取り入れる住まいが多いようなので、ここでそのレイアウトのアイデアを1つ挙げておきたいと思います。それが、ダイニングテーブルと対面キッチンを横に並べるというレイアウトです。通常、2つは対面するように配置されますが、この配置の仕方によって、より配膳をしやすくなるとともに、幅の狭いLDKでも対面キッチンを取り入れることができるような間取りの幅を広げてくれる魅力も持っています。
ここからは、ダイニングテーブルについて見ていきましょう。まずは、そのサイズ選びについてです。一般的に一人が必要とするテーブルのサイズは、幅約60cm奥行き約40cmと言われています。このことを頭に置きながら、4人掛けテーブルであれば120✕80cm、6人掛けテーブルであれば180✕80cmというような目安としていけばいいでしょう。既製の食卓の場合、こうした寸法よりも大きくすることで、余裕のあるダイニングテーブルとしていますので、実際に手で確認しながら選んでみて下さい。
ダイニングテーブルのサイズと合わせて間取りの検討の際にきちんと考えておきたいのが、椅子に座るためなどに必要となるスペースです。一般的に椅子に座ったり立ったりする動作には約70~80cmのスペースが必要となり、人が座っている椅子の後ろを通りには約60cm確保する必要があります。
ダイニングテーブルを使って、勉強あるいはパソコン作業をするという方もいらっしゃるでしょう。そのような方は、しっかりと作業スペースとして使うことも考慮したダイニングテーブルのサイズを考えていきましょう。4人掛けテーブルで十分に大きなスペースがあるという場合は大丈夫ですが、そうでない場合は、幅90cm以上確保して余裕のある作業スペースとしていきましょう。
テーブルの天板を拡張できるタイプもありますので、ゲストがよく来るという家庭にはおすすめの食卓です。これによって、日常的には通常の大きさで家族全員が食卓を囲める食卓で、来客の際には天板を広げて、家族とゲストを含めた全員が一緒になって食事ができるダイニングテーブルとなります。
ダイニングテーブルの形としては、やはり長方形が一般的だと思います。しかし、それ以外にも当然正方形や円形、さらには楕円形といった形もあります。テーブルの形によって、レイアウトの仕方も変われば、座り方やインテリアの印象も大きく異なりますので、それぞれの住まいに合ったものを選んでいきましょう。
【ダイニングテーブルの形については、こちらの記事でも紹介しています】
テーブル選びでは、そのサイズについてはもちろんのこと、テーブルの脚についても丁寧に検討してみて下さい。それは、一本脚と複数脚の2つに大きく分けることができます。天板を中央にある1本脚で支えるテーブルであれば、デザインがおしゃれという他にも、椅子の位置に関わらず、脚が邪魔にならないという魅力があります。反対に複数脚のテーブルは、安価で安定しやすいという魅力があります。
ダイニングチェアについては、座り心地やテーブルとの高さによる使いやすさなど見ていくことはもちろん、テーブルの脚が邪魔にならずに、きちんとテーブルの下に椅子が収められるかどうかも確認しておきましょう。ダイニングチェアはインテリアのアクセントにもしやすい家具ですが、最初に述べたように、背もたれなどによって視線が遮られないことも心掛けておくといいと思います。
写真:L.D.HOMES®
ダイニング照明として、シーリングライトやスポットライトなどを取り入れることもできますが、近年人気があるのはペンダントライトです。これは、天井から吊り下げるタイプの照明で、テーブルの上を効果的に照らしてくれると同時に、シェードが丁度目線の高さにくることから、そのデザインを活かしやすい照明でもあります。